厨房で発生した火が排気ダクトに侵入するとダクトに蓄積されたを油汚れを伝って付近のスペースや他の階に延焼してしまい火災被害が広がります。天井や壁の中にあり目に見えず、煙も屋外に排気されてしまうのでダクト火災が発生しても気づくことは困難です。被害状況が大きくなってから発覚することがほとんどです。
厨房内で上がった火を消したと思い安心していたらダクト内部が燃えているケースもあれば、排気ダクト内の状態が悪く自然発火するケースもあり大変危険です。
【目次】
- 厨房火災の主な原因
- 防火ダンパーについて
- ダクト火災を防ぐには
厨房火災の主な原因
厨房が火元となる火災の主な原因が以下の3点です。
1.目を離し放置したことによる失火
2.火気周辺にあった可燃物への引火
3.排気ダクト内に蓄積した油脂やほこりの自然発火
1については”調理中にその場を離れない”
2については”火気周辺にキッチンペーパーやプラスチックなどの可燃物を置かない”
というように、スタッフへの注意喚起・厨房環境チェックシートなどで対策が可能です。
3の自然発火はスタッフの意識改革ではなく厨房環境の改善が必要です。
- 自然発火とは?
堆肥や生ゴミ、干し草などが発酵することにより発熱するように化学物質が分解反応で発熱するように、油や天かすなど油脂を含むものは空気中の酸素に反応し酸化することで発熱します。
調理によって発生した熱が排気ダクトに伝わった際、ダクト内に汚れが多く積もっていると発熱した熱を逃がすことができず温度が上昇、発火点に達すると外部から火がなくても燃焼を始めます。
購入したばかりの新品の油の発火点は通常360-380度ですが、酸化が進むと発火点が低くなり150-200℃と新品油の約半分で発火する可能性もあります
厨房フード内の高熱を排気することによりダクト内の温度が上昇し、誘発自然発火が発生する恐れがあります。
ダクト内温度上昇の原因
・長時間の調理によって熱が保たれてしまいダクト内温度も上昇
・コンロを複数同時使用、熱源が複数あることで温度が維持されてしまう
・排気フィルターやファンの汚れで排気効率が低下し熱を逃がす力が低下
・ダクト内に付着した油脂の蓄積が多いと熱が保たれてしまう。油脂にほこりや炭、食材くずが付着しているとより危険
安全衛生の為にもダクト内を清潔に維持することが重要です。
防火ダンパーについて
恐ろしいダクト火災ですが、防火ダンパーの活躍により延焼を最小限に抑えることができます。
排気ダクトへの入り口部分や途中の接続部分に設置されているダンパーに防火機能を持たせたものです。
内蔵されたヒューズや熱感知装置が一定の高温状態を察知するとダンパーが自動的に閉じます。ダクトを通じて他の部屋や階に炎や煙が広がることを防ぎます。

防火ダンパーの種類
・温度ヒューズ式防火ダンパー
72℃以上になると温度ヒューズ(回路)が溶けてダンパーが閉鎖。
高温になりやすい厨房は120℃設定のものも。一般的に広く使用されているタイプ
・排煙用防火ダンパー
280℃で作動。高温の排煙を扱う場所で使用できるよう高い温度設定
・煙感知器連動型
温度ではなく煙を感知して作動するタイプ。72℃の温度ヒューズ式と併用されることもダクト内の温度が上昇
防火ダンパーが動作しない原因
ダクト火災の延焼防止に心強い防火ダンパーですが、実際に火災になった時に動作しないことも
・温度ヒューズ部品の故障
温度ヒューズが劣化・腐食していると本来の動作温度で反応しないことがあります。見た目では非常に分かりづらいです。
・防火ダンパー本体の固着や腐食
ダクト内の湿気・油・ほこりが原因で本来閉じるはずの羽根や軸が固まってしまうと物理的に動かなくなります
・過去に動作して閉じたままの状態
火災時以外で高温を検知し動作して閉じたままになった状態です。排気不良や逆流の原因にもなります。
防火ダンパーは日常で目視しない場所にあるので異常に気づくことは困難です。
大恊企業では防火ダンパーが正しく動作するように清掃および新品への交換設置対応が可能です。
ダクト火災を防ぐには
厨房フードから火が侵入することもあればダクト内の不衛生な環境が原因で自然発火することもあるダクト火災、しっかりと対策を行いましょう
1.高性能グリスフィルターの導入
厨房内から排気ダクト内に侵入する油煙をブロックし、ダクト内の汚れを軽減します
高性能グリスフィルターは耐火不燃素材なのでフードからの火の侵入を防止する効果も
2.清掃の実施
油脂汚れを除去する為に定期的に清掃を行い清潔な状態を維持することが重要です。
フードや防火ダンパーを清掃することでダクト内に火が入ってしまう可能性を削減
ダクト内を清掃することでダクトを通した延焼の可能性を削減できます
